工房★とらいあんぐる

29年前の今日、私は失意の底にいた。

名古屋に出張に行った父が倒れ、病院での処置の甲斐なくそのまま息を引き取ったのが29年前の5月16日夜だった。

つまり昨日は、父の【祥月命日】

父が倒れた知らせを受け、母は仕事を切り上げ名古屋へ向かった。

留守番するために来てくれた祖母から夕方聞いた時、直感で『お父さんこのまま帰ってこないかも』って思ったのを覚えている。

夜になっても両親は名古屋から戻って来なく、私も弟達もいつの間にか眠った。

夜中に人の気配を感じ、布団の中で耳をすましていると祖母が
『〇〇〇(母の名前)のところの△△△(父の名前)が昨日の夜遅くに息を引き取ってね・・・』と電話をかけている声が聞こえた。
そして叔父や叔母達が話しながらガタガタと動いている音が聞こえた。

『え？みんな何言ってんの？！これって夢だよね』って思いながら寝たふりを続け・・・いつの間にかまた眠った。

朝、母に起こされ父の死を知らされた。
3階で寝ていた私は2階へ急いで降りていくと、家具類などがきれいに片付けられたリビングに敷かれた布団に父が寝ていて、顔には白い布がかけられていた。

父44才、母33才、私小学5年生、弟1号2年生、弟2号2才の時の出来事。

私は奈落の底で『私は、私達家族はこれからどうなっちゃうんだろう・・・』と思った。

でも、今こうして元気に生きてる。
突然、大黒柱だった父がいなくなったけど、母は学校勤めを続けながら私達子供三人を育てた。

母は強い、女は強い、“母子家庭のハンディキャップ”を子供達に与えることなく育ててくれた。

でもそれには本当に沢山の人達の支えがあった。
祖母、叔父叔母、学校関係の人達、近所の人達・・・

“お世話になった人達に感謝し続け少しずつ恩返しできる人間になりたい。”
昨日、実家の仏壇で子供達と手を合わせながらそんなことを思った。

でも・・・私は何故か『私はダンナにもし突然何かがあっても、仕事しながら三人の子供達を育てられる！』という妙な自信がある。

神様と父が与えてくれた試練と、母の姿を見続けてきて生まれた
この気の強さ、困ったもんだ(-_-;)


しかし！人間一人じゃ生きていけないのだ！
必ず他人の手、心が必要だ。

奈落の底に落ちた時に這い上がるチカラと強い心、落ちた人を引っ張り上げるチカラと温かい心、
私は死ぬまでにどれも身につけたい。

できるかなぁ・・・p(^^)q